お知らせと、私的なこと、モノクロの景色
まずは、お知らせです。
3/6~3/15に公演を予定していた
yhs sub-play vol.9「14歳の国」
は、コロナウイルスの影響を受け、座組内、会場等と協議を重ねた結果、公演中止(無期延期)となりました。チケットをご購入いただいた皆様への払戻し対応等につきましては、下記公式サイトをご確認ください。
公演は中止になりましたが、録画した映像を近々配信する予定です。本日全ての撮影を終えました。公開までもう少々お待ちください。
以上、お知らせでした。
落ち着いたら、みんなでビールを飲もうよ。
オレンジ色の綺麗な、ライムに合うビールを。
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ここからは、最近のことをまとめたもの。報告ではなく、自分の心を整理するために書いたこと。とても私的な、日記のようなもの。
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2月の後半、3/1に行われる予定だったスマホ映画祭の延期が決まった。悔しいが、作品は既に撮り終えていたし、いずれ必ず開催することを決めての延期。
その直後、大規模イベントの中止・延期要請が出た。その他にも、小中学校への休校要請、緊急事態宣言など、刻々と状況は変化していった。
これまで一緒に作品を創ったことがある人たち、会ったことはなくとも、身近な場所で創作をする人たちの公演中止・延期が続く。非常にやりきれない気持ちになる。まがりなりにも演劇に携わってきた身として、幕が上がるまでの苦労、喜び、思いは知っているつもりだから。経緯はそれぞれだし、計り知れないところもあるけど、なにより、当事者の方々が一番悔しかったはずだ。
そして、自分たちも公演を控えている身。話し合いを重ねる日々。
そんな中、母から一通の連絡が入った。
「今朝、おばあちゃんが亡くなりました」
最後に会ったとき、目を細くしながら、俺がチビのころ、飛行機に乗って、電車を乗り継いで、遊びにきてくれたことを、何度も何度も、嬉しそうに話していた。電話で話すときはいつも、「やっちゃん、元気かい、そっちは寒くないかい、いちご送ったからね、食べてね、また会いに来てね」って。もう、何年も会っていなかった。
葬儀の日取りを確認し、本番直前だったが、無理を言ってなんとか行けるようにスケジュールを組んでもらった。
翌日、知人の訃報に触れた。
まだ芝居を始めて間もない頃に共演した方だった。右も左も分からない俺に、たくさんアドバイスをくれた。公演後も、劇場で会うたびに、「で、櫻井くんはいつウチの劇団に入るの?」なんて、冗談交じりに話しかけてくれた。笑顔が素敵な人だった。
膝をつきそうになった。でもやるべきことがある。背筋を伸ばす。
本番が近い、佳境。通し稽古をした。まだ調整すべきところはあるが、手ごたえのある内容。面白い作品になると確信した。
そして、公演の中止が決まった。
いろいろ、話し合ったうえでの結論。
後悔はない。
いろいろ、話し合った。
一昨日、おばあちゃんに挨拶をしてきた。
安らかな顔だった。
昨日、配信用の撮影を終えた。
良い芝居ができたと思う。
今日、全チームの撮影を終えた。
面白かった。
さっきまで、目の前のことに必死だった。
これを書き終えた今、色の付いた感情は残っていない。
あるのは只々、がらんどうになった心。