右手にピストルを左手にタンバリンを

札幌の劇団「yhs」に所属する櫻井保一のブログ

神は北島三郎を許さない

MATSURIですね。

 

札幌祭り。正式には北海道神宮祭だっけ?が、中島公園で昨日からやっている。割と近所に住んでいるのだけど祭囃子は聞こえてこない。今はやっていないのか、雨の音にかき消されたか。

毎年このお祭りの時期は雨が降るね。どうしたの神様。すげぇいじわるじゃん。もしかして人混み嫌い?気が合いますね、俺もです。

 

さっきまで手稲にいた。というより、手稲の自動車免許試験場にいた。免許の再発行をするために。

 

昨年末に泥酔して徒歩で帰宅中財布ごと落とした。あれは酷かった。一緒に飲んでた人の話を聞くと、俺はアホほど飲んだ後、店を出てすぐのところでいきなり相撲を始め、雪山につっこんでケタケタ笑ってそのまま帰って行ったらしい。ちなみに当然二日酔いも酷く、次の日知人の結婚式でかろうじて出席したもののずっとトイレで震えながら吐いてた。思い出しただけでもゾクッとするぜ。神はいない。

 

で、普段は運転しないから半年くらいほっといたんだけど、流石にそろそろと思って行ってきた。地下鉄JRバスを乗り継いで。財布印鑑カバンに詰め込んで。母さんがくれたあの(冷たい)まなざし。しかしマジで行きづらいなあそこ。もう財布なんて落とさないと固く誓った。飲みすぎたらタクシーで帰るゾ。まず泥酔するまで飲むなって?やめときな、正論はときに人を殺す。

ちなみに行きも帰りもバスの整理券取り忘れて運転手さんにちょっと怒られた。かなしい。

再発行の手続きをしたあと交付まで2時間半もあったので、藤原伊織の短編集を読んでた。ある話にアルコール中毒のおっさんが出てきた。彼は酒に溺れているがめちゃめちゃ頭がキレる。俺は酒に溺れてめちゃめちゃ相撲をとる。うん、同じようなもんだね。

 

帰りに近所の蕎麦屋で遅い昼食をとった。店に入ると、店主のじいさんと常連らしきじいさんが世間話をしていた。常連さんが「ばあさんより先に俺の方が逝くかもなー」なんてことを笑いながら言っていた。店主は「そんなことないよ」とも「そうかもね」ともとれるような曖昧な笑顔で、曖昧な返事をしていた。

俺は大盛りの親子蕎麦を頼んだ。運ばれてくるまでのあいだ、今度は常連さんが保険の話をはじめた。「保険料が高い」だのなんだの。あんた生きる気マンマンじゃねえか。店主はあいかわらず曖昧な返事をしていた。曖昧な笑顔を保ちつつ。

親子蕎麦は、朝からなにも腹に入れてなくて空腹だったこともあり一気に食べた。多分、食べきるまで5分もたってなかったんじゃないだろうか。いつのまにか常連さんはいなくなっていた。

ごちそうさまでした、とカウンターの奥に声をかけると店主は「もう食ったのかい?」と、口には出さないもののそのような表情をのぞかせた。さっきまでの曖昧な表情とはちがい、明確な感情がみえてなんだかおかしかった。

 

今はコーヒーを飲みながら、ぼんやりしつつ、ブログを書いている。

 

祭囃子はやっぱり聞こえないから、代わりにブランキージェットシティをかけている。太陽が死んで、空が笑っているらしい。変わらず神様はご機嫌ナナメの様子。せっかくあんたに捧げてんだから晴らしてやりなよ、喜ぶ人らがたくさんいるんだからさ。それに、あの中にいるのは苦手だけど、独特の雰囲気や流れてくる匂いは好きなんだよ、俺も。

 

祭りだ祭り

 

では。